比木神楽韓国公演総括

 韓国公演の記録撮影者として職責が十分果たせたかというと及第点に届かなかった。

 神楽全般を含め比木神楽を観る目がそこまでしかなかったからです。

 

 韓国公演を観て演目選定の意味・意図がおぼろげながらわかったことは、

 装束の色、形をとおしてその変化を視覚的に魅せながら、神楽舞を想像できるようにした装置だったのです。

 演目に緩急をつけることは、観客に対するおもてなしの演出でもあるのです。

  

 外国人には、神楽が何を意味しているのか登場人物を見ただけでは理解できないが、モダンダンスを観るように装束、色合いをみれば何が行なわれるのか想像できるのです。

 

 韓国公演は外国人の立場で神楽を観ることを私は教えられました。

  1.  宮神楽(赤)は、外国人が観ても何を意味しているのかわからと想うが、優雅さを見せる除幕であり序曲です。通常一番神楽は御神楽ですが、これはお祭りで演じられ、時間も長く優雅さよりも神に対する祈りの意味を持つもので、これを演じるには熟達の腕が必要です。
  2. 将軍之舞(薄紫)は、リズミカルな動きと演者の動きが一致することで魅せる神楽です。
  3. 鬼神之舞(極彩色)は、夢幻の世界にいざない、神を畏れ敬わせる神楽で、装束も明るく、艶やかで心がハイテンションになります。
  4. 振揚之舞(白)は、太刀を一本、二本と持ちながら演舞する神楽で、勇壮さが売り物です。
  5. 舞揚之舞(紫)は、気品と優雅さの神楽です。本公演では女性が舞いましたがピッタリの神楽です。
  6. 練舞(赤白)は、中休みの神楽で、能楽では狂言に当たります。師走祭りでは裸でふんどし姿で踊るのでねむかった眼もパッチリ開きます。
  7. 手力雄舞(黒黄色)は、天岩戸を力で開き、天照大神を外に連れだした豪快な力自慢の神楽です。したがって力強さとユーモラスさがこの舞の身上です。
  8. 成就舞(白)は、祭りの最後を飾る神送りの神楽なのです。

 このような演目の順番を見ると、この公演が最初から観客を楽しませることを目指したものになっていることがわかります。

 

 こうして日本に帰国し、写真を整理しながらわかったのですから誠にいい加減な記録撮影者であったことが理解できたと思います。