下船すると、寒の戻りとはいえ神戸はやはり寒かった。
道場に入ると寒さのことはすっかり忘れ、からだをゆるめて西野先生との対気のことばかり。
呼吸法の稽古が終わり、対気となるとなぜか不安になる。
ひたすらゆるめていくが一刻一刻西野先生との時間が迫る。
いつものように先生との対気になると無心になれる。
気をうけながらひたすら足芯に吐き下ろすだけだ。
下ろせば下ろすほど無限に氣は注入されていく。
あとはどうなっているのかわからない。
異次元の世界にワープし、この世で味わえない楽園をさまよう。
たぶん極楽とはこんな世界なのだろうと感じる。
このような体験を一日に2回味わうのだが、その時々でニュアンスが違う。
ゆるみすぎるとワープの次元が複雑になり、終わったあとからだの様々な箇所に歪が起こる。
帰りの乗車中脳内がギシギシ揺らぎ、異変が起きそうな感じになった。
ただただからだをゆるめるしかない。