
このような天気であれば考えるまでもなく行かないが、玄関をでると空は白く靄っていたが風がなかったので、傘を持って歩き出した。
堤防に上がるとすぐに雨が降ってきて、このまま歩けばずぶ濡れになることはわかっていたが、躊躇いもなく突き進んでいった。
篠突く雨が降ってきたにもかかわらず、止めようとは思わず、いつもの「なむあみだぶつ」を唱えながら歩いていると、不思議なことに雨がやんだのだ。
このままいくとは思わなかったが、比木神社の手前で大雨が降ってきた。
いつもは境内で傘をたたみ、帽子を脱ぐが、そうするとびしょ濡れるなのので、傘をさし帽子をかぶり手水舎で脱ぎ、傘をさしたまま鈴をならして参拝した。
帰りは倍返しの雨で背中から雨が染みこんできたが、こんなことは人生にはよくあることだと、淡々と歩いて帰っていると、小雨になってきたが家まで降っていた。
雨嫌いの男がなぜそうまでして雨のなかを歩いたのか。
晴れ男にも雨の日はつきまとうが、好きなことだけやっていればいいというわけにはいかない。
嬉しいことや思わぬ邂逅があったときは、調子よさを諌めるためにも不得意なことと帳尻を合わせることも必要である。
いま外は猛烈な雨が降っているが、いつまでも続くわけではない。
予報では明日の昼からは晴れるが、じっと耐え忍ぶことも必要であり、そうでないときもある。