イチロー3000本の軌跡

 今までNHKでイチローの対談は見てきたが、今回の軌跡ほど秘伝を開陳したものはなかった。

 

 たぶんイチローは、秘伝を開陳することにこだわったのではなく、秘伝が殆どの人には理解されないとこがわかっていたからであろう。

 

 打撃で重要なことは、選球眼でなく『選球体』といわれて、納得した人がどれほどいただろうか。

 

 大リーガーで必要な『丈夫さ』とは、《緩めること、バランス》と聞いて、

 怪訝のおもわれた人だらけであったことだろう。

 

 外角低めや高めの糞ボールを打つことは打撃の調子を見るバロメーターだとは、何をか言わんやである。

 

 私は今回の対談を聞いて、いままで、なぜなのかと疑問に思っていたことが全て氷解した。

 

 間違いがなければイチローは裸眼は悪いので、コンタクトを使用しているのだろうと想っていた。

 しかし「選球体」でボールを打つと聞いて、何もかも得心した。

 

 まさに身体で覚えることを、野球に応用しているだけだ。

 プロ選手はある程度は身体で覚えたことを応用していると想うが、

 これほど「選球体」と言い切る選手はイチローだけだと思う。

 まさに天才、達人です。

 

 日常の訓練が、身体を緩めることに費やされていたことを知り、頭の下がる想いです。

 身体を緩めてこそ「選球体」ができ、糞ボールを打つことができるのです。

 

 糞ボールとは、「ピンチのあとにチャンスあり」を実践しているのです。

 通常は、稽古を重ねるなかで、山や壁にぶち当たり、それを乗り越えて、ステージアップを図るのだが、

 イチローは毎日のゲームのなかで実践しているのですから、

 まさに天才、達人の域です。

 

 ヤンキースからマーリンズに移籍し、3000本安打を達成し、ようやく誰もわかってもらえないことを伝授することにしたのだと想います。

 

 宮本武蔵という剣豪と同じ境地にたち、五輪の書とおなじ、秘伝を開陳したということです。

 

 ありがとうごさいます。