散髪と対気 

 気に入った散髪屋はなかなか見つからない。

 要は店主と気があうかどうかである。

 

 気にいると何十年も通っているような気になる。

 現役のとき肩を揉んでもらうと全身がポカポカしてくる魔法の手がなつかしい。

 

 最近屁難しくて愛想が悪いがなぜか憎めない店を贔屓にしている。

 昨日散髪したとき気づかれないようにゆっくり対気したら

 店主が気持ちよくなりハサミが踊り出したのにはうれしくなったねぇ。

 

 そうかこの手があったんだとほくそ笑んだ。