藤井四段 華麗な空中ブランコ

 天の配慮か雨読ならぬ、

 藤井四段と中田功七段の順位戦を将棋連盟Liveで観戦した。

 

 ハイライトは9八歩が打てない「打ち歩詰め」の局面を十数手空中ブランコのまま、

 それも片手で華麗に舞い続け、観衆に心の臓が飛び出すぐらいの恐怖をみせ、

 いつのまにか空中から舞い降り、その豪気さと妖艶さに藤井四段の真髄を見た。

 

 プロの解説陣も歩を打たれても詰まないように早く角筋に駒を打つことばかり指摘し、

 宮中ブランコの華麗さより精密さに驚き呆れていた。

 

 

 素人の私が感じるのは不遜だが、

 藤井四段は最終の詰めパターンが浮かんだら、虎穴に入らずんば虎子を得ずの打ち方を

 中盤で組み立てていると思う。

 9四桂打ちの空中から舞い下りた姿はまさに天女の舞であった。

 

 

 それができるのは羽生三冠、谷川九段などの天才のみだが、

 藤井四段は目の前でそれを見せてくれるのだからこんな幸せなことはない。

 就職して忙しいときに将棋をするようになったが無駄でなかったことを僥倖に思う。